Ludwig '62 Oyste Blue Peal 14X5.5

Ludwig Early'60s Pre-serial ""Jazz Festival Model"
Sky Blue Pearl with Brass Hoops


     
   
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       

小宮試奏レポート

ラップ(カバリング)がブラック・オイスターではなくスカイ・ブルー・パールであることを除けば、
ザ・ビートルズのリンゴ・スターが愛用したものとまったく同じ仕様、
1961年〜63年製造のファースト・スペックのジャズ・フェスティバルです。

その特徴を列挙すると、カタログ表記の5"よりも深い約5.5"の深さ、
プリシリアル(シリアル番号なし)のキーストン・バッヂ、
正面よりキーストン・バッヂの右隣にストレイナー・スイッチ(P-83)を装着、
内蔵ミュートのフェルトが“赤”、
上下共に厚い(2.3mm程度)の1stジェネレーションのブラス・フープ装着、というものです。

実は、そもそもブラック・オイスター・ラップのリンゴと“まったく同じ”スネアというのは、
当時数台しか製造されなかったそうで(リンゴが使い始めて世界に広まるまでは、かなり人気のないカラーだったそうです……)、
私もそれは一度も叩いたことがないですが、“同じスペック”のジャズ・フェスティバルは相当数を叩いています。

その経験上から、この個体は限りなく“リンゴのあの音”に近いと断言できます。
太く、甘く、気持ちいい倍音成分も豊富で、“楽器全体”がご機嫌に鳴る感覚も強く出るのですが、
それが“ちょうどいいところ”でスパッとキレてくれるんです。
ミュートいらずで最高ですが、リンゴのようにベタベタにミュートしても“ダシッ!”っとキレて、これもまた絶品です。

これ1台で音楽を作りたくなる多彩さを十二分に備えつつ、
強力な個性がズンと真ん中にしっかりあるという、本当に素晴らしい楽器ですね。

スナッピーは、あえてメタル・エンドの12本(激レア!)が装着してありますが、
これが深いスネア・ベッドの幅とベスト・マッチで、
繊細な食いつき、シャープな反応と、まさに完璧だと思います。

ついでに焼けたスカイ・ブルー・パールの見た目、木と密着した手触りもまた最高です。