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かつてはロイ・ヘインズ、そしてスティーヴ・ジョーダン、
最近ではカーター・マクリーンも愛用する“名器中の名器”、ジャズ・コンボ。
1950年代(WFL)の“バディ・リッチ/ビバップ・モデル”の流れを汲みながらも
1970年代初頭に姿を消した希少価値の高いスネア・ドラムです。
口径13インチに深さ3インチという、小さく浅い特殊サイズながら、
絶品のマホガニー/ポプラ/マホガニー3プライ+メイプル単板レインフォースメント・シェルと
完璧な作りのパーツ類(フープ、ラグ、ボルトからワッシャーまで)が織りなす“マジック”によって、
無二なる音色を演出してくれます。
クリスピーながらどこまでも太く、繊細で、
スーパー・ローから超ハイ・ピッチまで、
使える範囲がものすごく広いんです。
おそらく、実際に音楽の中で使ってみるまでは、このサイズからは想像がつかないサウンドだと思いますよ。
個人的な話で恐縮ですが、トランジション・バッヂ期のジャズ・コンボ(1960年製造)を1999年頃から2010年あたりまでの10年強、
ジャンルなど構わず、ずっとメイン・スネアとして使い倒していました。
“The Jazz Combo Model”は、とても思い入れのあるスネアなんです。
で、この個体、1965年製のジャズ・コンボですが、
ヘッドも含めてすべてが当時の工場出荷のまま、フル・オリジナル!という超お宝状態。
とてもめずらしいブルー&ゴールドのデュコ・カラーの美しさ(ラッカーのひび割れ具合いが最高!)といい、
ニッケル・メッキのパーツの輝き(まるで黄金色!)といい、
もうこれは素晴らしすぎますね。
さらに特筆すべき点がいくつかありまして、
まず、上下のフープが2ndジェネレーションのブラス製なんです。
この時代、ほとんどがスティール製なので、非常にレア。
1stのブラス・フープよりもオープンにブラス特有の柔らかさを持って鳴ってくれるのが最高です。
次に、シェルがメイプル/ポプラ/メイプル3プライ+メイプル単板レインフォースメントなんです。
つまり、アウター&インナーがメイプルなのでパワーと明るさが増しているように感じます。最高です。
最後に、深さが実測3.5インチと0.5インチ深いんです。
そのため音色に深みが増しているように感じますね。
例えばスティーヴ・ジョーダンがキース・リチャーズのバンド、エクスペンシヴ・ワイノーズで活動していた時代に
各方面で使い倒していたラスベガス・モデル(13"×4")とジャズ・コンボの中間のような鳴り方で、これまた最高です。
すべてにおいて極上な楽器だと思います。
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