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試
個人的に大大大好物の1950年代のグレッチです!
最大の特徴は3プライ・シェルで、メイプル/ガム/メイプルという構成で、レインフォースメントの類いはついていません。
そこに組み合わさる8テンションのブラス製スティック・チョッパー・フープがまた絶品で、
グレッチ伝統の塊感のあるサウンドに独特の甘い広がりが加味されています。
この時代、実はスネア・ドラムのスタンダードはどちらかといえばフロア・ショウX4153の14"×6.5"の方で、
深さ5.5"のネーム・バンドX4157は作られた絶対数は少なかったそうです。
ちなみに近年、ブライアン・ブレイドは、X4153よりもX4157を使うことが多い気がしています。
ファットでオープンな鳴りは、ジャズはもちろん、ロックや歌もの他、なんでもいけてしまう守備範囲の広さがありますが、
普通に溶け込むのとは対極にある、絶妙な個性を発揮しながらヌケてくるサウンドが素晴らしいんですね。
この個体も例に漏れず、本当に気持ちよく鳴ります。
いい意味でルーズなレスポンスが演奏を楽しくしてくれますね。
この3プライ・シェルは、50年代後期のスペックで、
内面はシルバー塗装が施され(初期はナチュラルまたは無塗装、あるいはオイル塗布)、
厚みがあり、エッジ角がほとんどないのが特徴です。
だから常に音が太いんですね。
フープの程度の良さは驚異的で、歪みやボルト部分の“落ち”がまったくない状態。
さらに絶品のオリジナル・レスポンソ・スナッピー20本もポイントが高いですね。
とにかくこの音色! 最高です!
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